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2016年9月8日木曜日

【蓮舫合戦】某週刊誌が台湾に取材チームを派遣して「蓮舫一族」の生涯の洗い出しをしているとの風聞

某週刊誌が台湾に取材チームを派遣して「蓮舫一族」の生涯の洗い出しをしているとの風聞が流れている。



《国会議事録より》

第052回国会 農林水産委員会 第4号

昭和四十一年十一月一日(火曜日)

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/052/0408/05211010408004c.html

   
○委員長(山崎斉君) それでは、バナナ等輸入果実その他に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。


○黒柳明君 質問いたします。
 通産大臣と農林大臣にお答えを願いたいと思いますが、去る四十年十二月十日、帝国ホテルにおきまして、日本バナナ輸入組合理事長砂田勝次郎氏を激励する会、こういう会が催されましたが、そこの場に大臣が出席なされたか否か、御返事を承りたいと思います。


○国務大臣(三木武夫君) そんな会議には出席いたしません。


○国務大臣(松野頼三君) その会があったことも私は知りませんので、もちろん出席もいたしておりません。


○黒柳明君 通商局のほうにお伺いいたします。
 この砂田勝次郎さんは、いまも言いましたように、日本バナナ輸入組合の理事長であり、代議士の砂田重民さんとは兄弟であると、こういうような関係にあることは通商局のほうじゃ御存じであると思うんですが、いかがでしょう。さらに、お知りのことがあったら、お話しをしていただきたいと思います。


○説明員(原田明君) お答えいたします。
 砂田理事長が故砂田重政先生の御令息であられるということは存じております。砂田理事長は、砂田産業というバナナ輸入会社の社長であられます。以上のことを存じております。



○黒柳明君 大臣にしばらく聞いていていただきたいと思うんですが、ここにバナナ業者関係の日刊の通信紙がございます。それは、ただいま申しました砂田勝次郎氏を激励する会、十二月十日の翌日、十二月十一日に発行された内容でございますが、若干長くなると思うんですが、はしょって読みますから、聞いていていただきたいと思います。

 日本バナナ輸入組合理事長砂田勝次郎氏を激励する会は既報の通り、十日正午から午後二時までの間、帝国ホテル「孔雀の間」で開かれた、参会者は故砂田重政氏に縁りのある政界人が多く、世話人の岸信介元首相、川島自民党副総裁、赤城同政調会長をはじめ中村文相、中村運輸相、清瀬前衆院議長、田中同副議長、南条、神田、青木、増田、石田、松田、江崎前・元大臣のほか、自民党国会議員多数、バナナ業界からは樋口荏原青果社長、岡崎磯やバナナ社長、陳杏村輸出同業公会駐日弁事処主任などの顔も見えた、席上、岸、田中、赤城、今松、江崎、川島の諸氏ら、業界から樋口荏原青果社長の激励の辞があり、これに対し令兄の砂田重民代議士、勝次郎両氏より謝辞があり、清瀬前衆議院議長の音頭で乾杯した、砂田勝次郎氏に寄せられた主な激励の辞は次の通り

 ◇岸元首相=台湾バナナにとって日本は重要な市場であるが、輸入する日本では激しい競争があり、取引が円滑を欠くうらみがあった、そこで、かねて安定した取引でバナナ輸入を増進したいという考え方があったがなかなかまとまらなかった、ところが最近漸やくバナナ輸入組合が出来、勝次郎君が組合長に就任することになった、大きくいえば日華両国のため、バナナ業界は勿論、砂田君自身にとつても慶ばしいことである、御健闘をいのる

 ◇田中衆議院副議長=御長男は政界で、御次男は実業界でそれぞれ大成の道を歩まれているのはまことに慶ばしい、ことに御次男の勝次郎君に対して、今日のような盛大な激励会が催されることを考えれば、同君の経済界における将来は期して待つべきである、自重自愛をいのる

 ◇赤城自民党政調会長=ノリとバナナには政治家はタッチすべきではない、というジンクスがある、しかし韓国からはノリ、台湾からはバナナを買うことは外交上、貿易上止めるわけにはいかない、私も農林大臣としてタッチしたが、別に“黒い霧”にもかからなかった、現在バナナには関税の問題国産果実との競合の問題などであるが、こうした状況の中で少壮実業家の勝次郎氏が組合長になったことは心強く感じている、“黒い霧”にかからぬよう大いに活躍してもらいたい

 ◇川島自民党副総裁=日本の果樹栽培は世界で最も発達しており、外国から輸入した果物は到底太刀打ち出来ない、しかし台湾バナナだけは別だ、ところでバナナの輸入で今度輸入組合が結成され、台湾と対等で取引が行われることになった、どうかこの体制を崩さず、過当競争を避けて安いバナナが大衆の手に入るよう勝次郎君にがんばってもらいたい、国民の期待は大きい

 以上でございますが、この記事の中に出てまいります輸出同業公会の駐日弁事処主任陳杏村女史という方は、担当の所管大臣でございます通産大臣、農林大臣とも当然御存じである、このように思うんですが、御存じであるか否か。あるいは、もう一つ、この記事をいまお聞きになって、この事態をどのようにお感じになりますか。その二点をお伺いしたいと思います。


○国務大臣(三木武夫君) これは、日本では、バナナの愛好者が、愛好といいますかバナナを食べる人たちが相当おるわけですから、これは輸入しなけりゃならぬわけです。これが正常な輸入がされるならば、そういう励ます会というようなものが行なわれて、そうしていろいろ激励されるということは、そのこと自体が私は何も悪いことだとは思わない、これは。だれかが輸入しなけりゃならぬ。私は、そういうバナナとかノリとかいう会合には出ない、それだけのことであります。それは、そういう会はなんにも非難さるべきものだとは私は思わない。それから何とか名前を言われましたけれども、私はそういう人には面識はありません。


○国務大臣(松野頼三君) ただいま言われた方は、女史と言われたから、たぶん女性だろうと思いますが、女性か男性か初めて聞く名前ですから、全然私はわかりません。


○黒柳明君 感想はいかがでしょうか、いまの記事をお聞きになって。


○国務大臣(松野頼三君) ただいまの一、二の方が言われた中には、ごもっともなお話があるように思います。したがって、ただいま読み上げられたこと自身の中において、私がいまこの場で判断して、非常識だとか、おかしいじゃないかとか、そういう感じは私は受けません。いまのお読みになったところだけでは、その会におればまた別ですけれども、私また初めてお読みをいただいて、朗読された範囲では、どうという感じはありません。ああそんなのがあったのかなというのがすなおな私の感じです。


○黒柳明君 確かに、両大臣の御発言のとおりだと思います。私も、日華貿易親善、あるいは外交上、こういう激励会をやること自体決して悪いことはない、このように思います。しかしながら、このことが、だんだん順を追って質問もし、また話もしていきたいと思いますが、今日のバナナの業界をおおう黒い霧の発生の一つの原因にもなっている。そういう黒い霧をさらに深める一つの場にもなる、こういうことになると、これは両大臣がお話しされたようなことじゃ済まされないのじゃないか。何も私は激励会をやるだけでここで取り上げる、そういうことは毛頭考えておりません。これはあとのほうに出てくると思います。まあ大臣の立場としては、女史とか何とか初めてお聞きになった、これはごもっともだと思うのです、重要なポストにいらっしゃいますから。

 今度は、通商局のほうですが、通商局のほうは、これは責任上決して陳杏村女史を知らない、こういうことはないと思いますし、また、この砂田勝次郎氏との関係がどういう関係であるか、これも御存じだと思いますから、ひとつ説明をお願いしたいと思います。


○説明員(原田明君) 陳杏村氏は、あるバナナ会社、たしか丸大商事と申しました会社の社長をしておられる方である、こういうふうに存じております。砂田勝次郎さんとどういう御関係がおありになるかというほうは、詳しく存じておりません。


○黒柳明君 大臣の時間が短いので、次長のほうもなるべく短く御答弁される、けっこうだと思うのですが、わかっている事実はどんどんしゃべっていただきたい、こう注文をつけておきます。

 説明が不十分ですから、私のほうで説明を補足したいと思います。けれども、もし不正確な点があったら、誤りがあったら、ひとつ訂正もしていただきたいと、こう思います。

 砂田勝次郎氏と陳杏村氏との関係は、陳杏村氏は、台湾バナナ輸出業者がつくっている連合組織である、ただいま申しました輸出同業公会の理事長もやったことがある。すなわち、台湾バナナ輸出業界の大物なんです、この人は。このことは決して知らないということはないと思いますが、いまの説明には知って言わなかったか知らないで言わなかったかわかりませんが、それが一点。

 二点は、この公会は、かつて日本が台湾バナナ輸入を自由化した当時から、国民政府によって輸出総量の五〇%の割り当てを与えられて、わが国の国内バナナ輸入業者に対して絶大な支配力を持っておる、こういう人が陳杏村。

 三つ目、陳杏村氏の令息に当たる人で謝哲義と謝哲信、こういう人がおります。今度はむすこさんのことですが、それぞれ砂田という日本人商社名をつけた多数のバナナ輸入会社を実質的に支配し、まかされております。この陳杏村氏のむすこさん二人が。たとえば、これは例として、謝哲信さんが取り締まっている会社は三興商事とか、いま言いました砂田産業その他です。謝哲義さんが取締役のポストにある会社としては福光貿易その他です。まだまだ数多くあります。それが三番目の関係です。


 四番目、この駐日弁事処は、日本の業者がかつて輸入バナナ一かごに何百円というリベートを持参しなければ台湾バナナを輸入しない、そういうようなことでリベートを取って、外為法違反容疑で警察から取り調べを受けた事件がある、こういうような点もはっきりしております。

 以上の四点、これは私が調べた陳杏村氏に関係すること、あるいは砂田勝次郎さんに関係すること、その他の事実です。これは私も自信をもって間違いがないと――謄本やなんかあります。これは客観的情勢から見て調べたことです。このことは、当然、いま説明が言われてみれば、そんなことはわかっていたと次長さんのほうはおっしゃるかもわかりませんけれども、そのことを説明していただきたかったと思うのです。

 そこで、通産大臣と農林大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほども、通産大臣は、激励をする会、問題がないじゃないかと。私も、そのとおりだと、こう申しました。ところが、いま私が陳杏村氏についてあげた四点のこと、これは登記の書類によって調べたことなんです。また、バナナ輸入業界の精通者の意見、あるいは関係者の話も若干入っています。これは、あくまでも意見ですから、間違いがあるかもしれません。で、冒頭に言ったわけです。しかし、これはきわめて重大な問題です。通商局としても、もしこういう事実がわからなければ調査もし、また、私の発言に誤りがあったならば訂正もしてもらいたい、こう思うのです。こういう立場から、通産大臣として、こういうような裏面を持った、背景を持った、つながりを持った関係から、まず一点として、先ほど来の激励会が開かれた。まだまだあるのであります。まず一点として、そういう会が開かれているのです。こういうことを見ますと、黒い霧を晴らすためには、激励会をやったっていいじゃないかと、それだけじゃ済まされない。その背後関係、事実関係をあげただけでも、こういう四点があがっている。これに対して、もし次長さんのほうでこの事実を知らないとしたら、誤りがあるとしたら、至急大臣のほうでどういう関係があるのか結論を出していただきたい。そして、いま話題になっております綱紀粛正とか、黒い霧を晴らすとか、そういう問題に対して、さきに共和製糖グループ関係で、松野農林大臣が、私が陣頭指揮で黒い霧を晴らす、こういうことをおっしゃったと同じような態度を示していただきたい、こう思う。要望すると同時に、いま言った関係性を至急調査をさしていただきたい。いかがでしょうか。


○国務大臣(三木武夫君) 私は、いまいろいろお話を承って、その会合に出た人、それも私知らないのです。いまあなたが読み上げられて、ああそういう会があったのかということですけれども、それはおそらく出席された人がみな黒い霧に関係があるよう言われると、はなはだ迷惑するに違いない、出た人は。何も知らないで代議士というのはよく出ますね。わりあいいろんな案内状が来るから、一番出席率がいいのは代議士で、いろいろな会合があったらあまり深く考えないで出るのですね、代議士は。だから、激励するということなら、砂田さんのむすこさんを激励するということで出席した人が非常に多いと思いますから、そういう背景がどうのこうのといって出席したものではないので、その出席した者が黒い霧に関係があるというような印象は、私は出席した人のために弁じておかなければならぬ。それはそういうものではない。私もこの背景ということはいまお話を聞いて初めてわかったので、砂田勝次郎君と謝とかいう女性との関係とか、いろんなことは初めて承ったので、この点はいまここでいろいろ背景についてどうであるかというようなことはお答えしかねるわけです。こっちは、調べてみなければわかりません。

 ただ、私は言えることは、バナナ、バナナといって国会で何回も何回もこの問題が論議されること自体に対して、私どもは、これはもうよくないことだ。こういう問題が、毎回毎回いろんな委員会で取り上げられるということ自体に対して、これは非常に遺憾なことである。国会の名誉からいっても、政治家がその間に関係しておるとかいろんなことは、そういうことを言われることによって本人たちも不愉快にも思っておるでしょうし、あるいはまた、国民から見ても、政治家の品格のために、そういうものに政治家が関係をしていろんな利権をとっておるというふうな疑いを持たすことは議会の品位のためにもよくない。この問題については、よく言われるペーパー業者といいますか、権利だけ持っておって、そしてあまり輸入の業務もしないで、ただいくらかもうけておるような人もあるという、こういうふうなこともよく言われて、衆議院の商工委員会でもペーパー業者などのことが問題になったので、この実態はよく私は調査をしてみたい。バナナに対する疑問、これはやはり国民の前に解明したい、こういう決意であります。

 そこで、弊害のある点は、たとえば一番問題は、バナナに少しもうけが多過ぎる、そういう点から、みんなバナナ、バナナということで、もしその利益が非常に不当なものであるとするならば――不当とは言えぬとしても、不当ということは取り消しましょう、不当でないにしても、少しもうけ過ぎるような場合には、もう少し消費者に対してもその利益は返すべきで、そういうものであったならば、流通機構というものに対しても、これは審議会でもつくって、輸入組合の中で流通機構というものをもう一ぺん検討してみよう。あまりむやみにもうけて、そしてバナナを食べる人に対してはせっかくもっと安いバナナが食えるのを高いバナナを食わす、これはよくないわけですから、フェヤーなことではないですから、流通機構というものも一ぺん輸入組合で審議会をつくって、農林大臣もむろんこれを明朗化することに対してはわれわれと同じ考えでありますから、流通機構というものも検討を加える。

 それからバナナの輸入の実態というものに対して調査をする。そして、もしそれでやはり非常に利益というものが多過ぎるというものなら、その超過利得と思えるものに対しても何らかのやっぱり適宜の方法を講ずるような方法をやはり検討してみたいと事務当局に向かっても私は指示をしたのです。あまりこれはもうけが多過ぎるところにやっぱり問題があるのではないか。そんなにもうけが多いならば、そのもうけを何かやっぱり何らかの方法で吸収する方法というものは考えらぬか。これはなかなかむずかしい問題でしょうが、研究してみるようにという指示を先週したのです。

 私の願いは、バナナ問題が毎回毎回国会の議論になるということを、この機会にやはり国民の疑惑にこたえて、もしそういうものがあるならばこれはメスを入れるべきであるし、また、いろいろないま申したような点で改善を加えられてもっと明朗なバナナの輸入というものの態勢ができるならば、思い切って改革をしたい。バナナから黒い霧を払いたい、これが私の強い決意であることを申し上げておきたいと思います。



○黒柳明君 確かに通産大臣のおことばのこれまたとおりであると思いますし、また、大臣の快刀乱麻たる御処置を国民も期待しておると思うんです。ところが、事実は、その大臣のおことばと反して、まだまだメスが届きそうで届かない、こういうところがごろごろこの国会の周辺にもころがっているような感覚がするわけなんです。それで、ただいまの激励する会においても、あっちこっちに国会議員が顔を出す。まあ顔を出すこと自体はそれはいいとは思うんですが、それが自分の利権にあるいは票かせぎにつながるような、そういうあさましい出席のしかた自体はうまくない。まして、この激励をする会は、それ以上の深いものがあるわけなんです。万一、まあこれは万一ですが、砂田さんが台湾バナナ華僑のかいらいとして日本の政界とのつながりを利用されているとする、こう仮定をした場合、元総理大臣、あるいは各現職の大臣、自民党の国会議員の最高幹部の方々が多数お出になって励ます会を開いた、こういうことになると、国民大衆のいまの国会審議、あるいは総理はじめ通産大臣のおことば、それを期待している国民大衆の常識センスとはまるっきり離れたものになる、こういうようなことになるんですよ。先ほど、この点に対して調べさすようにする、こういうふうにおっしゃいましたのですけれども、こういう四つの関係から国民はこういうことを疑惑に思っておるのです。それに対して、国民は、快刀乱麻たるメスを入れると言ったって、何だそういう背景がありながら――激励会に出る全部が全部関係があるとは私も言いません。ところが、明らかに関係を持っておる人がいるわけです。それで、そういう励ます会をつくって、やがてこれが割り当て問題に発展していくんですよ。こういう関係性があっても、さらに大臣は、そういう励ます会があったっていいじゃないか、こういうふうにおっしゃるのかどうか、私はその点をもう一回くどいようですが、質問したいと思います。


○国務大臣(三木武夫君) これはいまあなたがお読み上げになりましたこのことだけの判断でありますから、それがいろいろな背景があってくれば、またこれの価値評価は違ってきますが、いま読み上げられたようなことだけで出席した者を責めることは私は酷だと思います。そう言ったら、やはり代議士はみんなつき合いなんですから、わりあい出席率がいい。この点が、いろいろな会に案内が来て、それに出たためにみんな黒い霧だと言われたら本人のためにならぬので私は申し上げたので、それがいろいろな深い因果関係があって、そしてそれが単純な励まし会でないということならば、別の批判を加えざるを得ないということでございます。


○黒柳明君 農林大臣にお伺いしたいと思います。
 まことに失礼な質問になると思うのですが、近々東南アジアの御旅行に行かれる、こういう話を聞きまして、台湾も冒頭に寄られる、こういう御予定らしいのですが、前回のアメリカ、さらに南米の問題もございますので、こんなことはないとは思いますけれども、これはうわさのほんのうわさだと思うのですけれども、大臣は、台湾に行かれて、いまの八百八十万バスケット、それにプラスの割り当てをとってくるのじゃないか、こういうような話も、これはうわさだと思うのですが、大臣は一笑に付すでしょうが、あるいは、それがバナナ関係業者に流れるのじゃないかということが、大臣のお耳に入るかどうか、私の耳には入ってくる。私も、そんなばかなことはないのじゃないか、さきで失礼ですけれどもこりていることじゃないかと、こういうようなことがあったんですけれども、念のために、台湾に行かれる目的、また、バナナとのこういう関係はない、こういうふうに私も思いますが、その点はいかがでございますか。


○国務大臣(松野頼三君) あつものにこりてなますを吹く、バナナ一本食べることもしないで、私は米の話を主にして参ります。バナナの一本も食べずに行く気持ちでおりますので、それはもうほんとうに霧というか雲というか、架空の架空の架空の話、十分私の態度を見ていただきたいと思っております。


○黒柳明君 どうもありがとうございました、失礼な質問をして。
 通産大臣にお願いしたいと思いますが、いまの激励会から話は続きますが、昭和四十一年の三月三十一日、その砂田グループに対して、輸入台湾バナナの特別割り当ての問題、あるいは調整割り当ての問題ですか、省内ではこのように呼んでいると思うのですが、これに対して非常に大臣が頭を痛められた、こういうことは事実だと思うのですが、それについてはどのようなことがあり、どのような意見をお持ちでしょうか。


○国務大臣(三木武夫君) これは非常に技術的な問題でありますので、次長からその経緯についてお答えをいたすことにいたします。


○説明員(原田明君) お答えいたします。
 私どもは、台湾バナナを自由化に戻しました以後、輸入秩序の維持ということを目標にしまして割り当てを実施いたしております。現在台湾には割り当ては実施いたしておりますが、割り当ての総数量を制限するということには目的はございませんで、自由化のまま、もし台湾が出したい、こちらが入れたいということがございましたら、いくらでも入れるという立場をとっております。しかしながら、輸入業界の競争は非常に過激でございます。とうてい業者間の話がまとまるような筋ではございませんので、輸入業者間の競争をおさめる手段といたしまして割り当てを実施することにいたしました。その手段といたしまして、過去の実績に基づく割り当てを行なったわけでございます。もし製造会社みたいなものでございますと、たとえば鉄鋼ならば、高炉がいくらあるかということで、鉄鉱石の輸入、いくら使うかということがわかるわけでございますが、輸入業者の場合にはそういう適当な基準がございませんので、現在までほとんどすべての物資につきまして過去の実績をもとにするということがとられておる基準でございます。これは、ある期間、特に最近の期間においてその実績を上げたということは、そういう事業活動を実際に行なう能力があって実行したということでございますので、最も適切でございます。また、この基準をとりますことによって、初めて業者間の過当競争を何とかおさめて、まあまあその割り当てに従って輸入の商売をいたしましょうという納得がつくのが通例でございます。

  〔委員長退席、理事野知浩之君着席〕

 そういうわけで、バナナにつきましても、去年の七月から輸入の割り当てを実施いたしました際、いかなる基準をとるかということが問題になりまして、いろいろ検討をいたしましたが、結局、割り当ての実績をとらざるを得ないということに結論がなりました。三十八年と三十九年、こちらは自由化されていた時代でございますが、その期間における割り当て実績をもとにいたしまして、七月-九月間の割り当ての基準をつくったわけでございます。このとき、割り当て実績をとるか、通関実績をとるかということはだいぶ検討をいたしたわけでございます。七月は、ちょうどバナナの出回りの最盛期でございまして、割り当てがおくれますとバナナが腐敗いたしますし、台湾のほうの側ではバナナが岸に出て待っておるという非常に切迫した事態でございましたので、この際は早急に割り当てを実施する必要があった。それには、通関という船積み実績をとることは技術的に不可能でございました。したがいまして、割り当てを受けたという実績によって七月-九月の実績基準を作成をいたしたわけでございます。その後、十月-三月も同じような割り当ての基準でやったわけでございます。

 ところが、このときになりまして、輸入業界のうち一部の者から、割り当て実績というものの解釈について疑問が提出をされたわけでございます。と申しますのは、割り当ての実績と申しますのは、自由化されていた時代、自由化されておりますので、いくらでも割り当てはもらえるわけでございますが、形式的には一応自動割り当ての証明書というものをもらわなければならないわけでございます。その割り当て実績をもらいまして……


○黒柳明君 すみません、発言中ですけれども、よろしいでしょうか。

○理事(野知浩之君) ええ。

○黒柳明君 その経過はまたあとでお伺いをいたします。いま私が質問したことは、大臣は、その特別調整割り当て、そのことで非常に頭を悩ました、これは事実です。それについて、どうお思いになるか。そのときの時点においてどうお考えになるか。その問題について大臣はどう判断されるか。その割り当て部分についてはまたあとでお伺いします。大臣の御出席の時間が限られておるものですから、途中で失礼ですが……。


○国務大臣(三木武夫君) 私は常に注意しておるのは、バナナというものはいろいろうわさの多いものだから、これはだれから見ても公正な基準によって割り当てるように、基準の構成をするにしても、説明のつく、だれが見ても納得のいくような公正な方法でやるようにという指示を総括的に与えておるわけで、こまかいいろいろな実際上のことは、黒柳さん、実際は私はタッチをしていない。ただ、全般的に公正な基準によってやるようにということを口をすっぱくして言っておることは事実でございます。そういう点で私の部下を私は信頼をいたしておる、こういうことを申し上げます。


○黒柳明君 次長さんにお伺いをします。
 そのとき、砂田グループにどれだけ特別割り当て、調整割り当てがあったか、それが第一点。
 それから今度は、四十年四月の割り当てには、この砂田グループははみ出ているわけです。それに対して国内業者は特に輸入組合として相当な反対があって、結論としては砂田グループが特別割り当ての獲得に成功した、こういう事実があるわけです。さらにほかの会社もありますが、ともかくこういう割り当てに対してはみ出しちゃった。それをさらに調整割り当てをしなければならなかった。これには何らかの手落ちがあってこういう事態が発生したのではないか。この点はいかがでしょう。


○説明員(原田明君) 特別調整割り当てと一般に呼ばれております措置につきましては、十九社に対して割り当てが行なわれて、補整が行なわれたわけでございます。その中に御指摘の砂田産業も入っておりますが、私どもとしましては、砂田産業であるから補整をしたということではございませんで、先ほど御説明申し上げておりましたとおり、大臣からの御指示に基づきまして、割り当ては公正に行なうべきである、しかも定めました割り当て基準に従って公正にやる、こういう趣旨を貫きます場合に、その割り当て基準の解釈につきまして、こういうクループから――クループと申しますか、別々の会社でございますから、グループと申しては必ずしも妥当じゃないかと思いますが、そういうことに利害関係を持つ数社から、そのときにとっておりました割り当て基準の解釈から見ればわれわれのところには割り当てがもう少しもらえるはずであると、しかし、あなた方がおとりになっている割り当てられました割り当てではもらっておらないが、それはどういうわけだと、こういう陳情があったわけであります。それは、先ほど申し上げまして途中になりました割り当て基準の解釈の問題につながるわけでございますので、この点をちょっと御説明を続けさせていただきたいと存じますが、その場合に、割り当て実績と申しますのは、自動割り当ての割り当てをもらった実績でございますが、この自動割り当ての割り当て書は、輸入貿易管理令の第九条第一項に基づく割り当てでございます。しかし、同じ輸入貿易管理規則の第五条の第四項で割り当てを……


○黒柳明君 簡単にお願いいたします。あとでやりますから。


○説明員(原田明君) すぐ終わりますから。割り当てを使わなかった場合には、返還をしなければならないことになっております。それで、大部分の会社は返還をしてまいったわけでございます。と申しますことは、その割り当て書は使われなかったわけでございますから、私どもとしましては、その使われなかった、返還された割り当ては、割り当てがなかったものとして割り当て基準のもとになる実績から控除いたしたのであります。ところが、それをやりますと、その場合に返還をしなくて控除されなかったというものが出ていると、非常に不公平になるという問題が生ずるわけでございます。そこで、その間の不公平を調整する必要がどうしても生じてまいりました。つまり、割り当て実績によって割り当てをするといいながら、結果としては船積み実績によって割り当てをしておるのは不当であるという議論をわれわれのほうに陳情として受けたことがあります。そこで、私どものほうでは、部内で何べんも会合を開きまして、この点の基準の解釈につきまして議論を重ねました結果、その当時の発表としては、割り当て実績によって割り当てますという発表をいたしております。


 それにもかかわらず、割り当てを受けていながら船積みがないからということで差っ引いたのはけしからぬという議論にもまことに根拠があるというふうな判断をしたわけであります。しかし、他方、実際には返還をしておりまして使っていない割り当てでございますから、割り当てを受けたということで割り当てをもらうのも不公平である。これは非常に多くの方々の議論でもありましたけれども、しかし、法解釈といたしましては、割り当てをもらっているという者には割り当てをやるべきであって、船積みが実績でなくて、割り当て実績をとったのでございますから、船積みがなくてもやるべきである、こういう議論が出ました。結局、その間の調整をとりまして、私どもとしては、やはり基準に公正という立場を貫くということにいたしますと、割り当てを割り当て実績で割り当てをもらった者にはやらなきゃならぬということになりますので、その点の調整をあとになってやったというのが特別調整割り当てでございます。


○黒柳明君 通産大臣にお伺いします。
 ところが、四十年四月十日ですか、 四十年の七月から九月に対しての割り当てをきめたわけです、基準を。この一たんきまった割り当て基準が、政治力によって――私はあえて政治力と言います。またこれは追っかけてその理を説明したいと思います。割り当てが変わっていく。一たんきまった割り当てが変わっていく。何のために割り当てをしたか。輸入秩序を守るために割り当てをしたのです。その輸入秩序を守るためにきめた割り当てが、政治の力によってきまっていくというような割り当ての仕方だと、非常にこれはおかしいのじゃないか。なぜ政治力かといいますと、もう一回反復するようですが、繰り返してまとめて言いたいと思いますが、さっきの砂田勝次郎氏を励ます会、ここには、先ほど言いましたように、自民党の大物の各先生方がずらっと出席されております。そこに台湾バナナの総元締めである陳杏村さんも出席している。ところが、この砂田勝次郎さんは、御存じのように、現自民党代議士重民さんの兄弟である。重政さんの御令息でもある。また、この陳杏村さんの息子さん、謝哲信、謝哲義さんは、いずれも砂田勝次郎さんを代表取締役とする砂田産業そのほかの先ほどあげましたような各会社、砂田グループに首を突っ込み、実質的にはその権限を握っている、こういうような関係があるわけです。こういう関係を見ていきますと、砂田勝次郎さんを励ます会は、これは私の言い過ぎかもわかりませんが、考えようによると、砂田グループに対して、特別割り当てを促進する会じゃないか、このような疑惑もここで生じてくるじゃないか。ですから、あえて政治権力と結んで不当なる割り当てをここで推進するようなことがあったならば、その根拠が輸入秩序を保つ、こういう趣旨から発足した割り当てが無意味になるのじゃないか、こういうことを私はあえて言いたいと同時に、この点についてどういうふうにお感じになるか。
 また、もう一点は、現在、割り当て量は八百八十万バスケット、こういうふうに聞いております。ところが、これに対してもまた将来調整を加える方針であるのか、その見通しをお伺いしたいと思います。


○国務大臣(三木武夫君) 私は常々に原田次長にも言っておることは、どんなに政治的に力がかかってきても、その圧力に対して何らの影響を受けてはいかぬ、そういう場合には私に言いなさいということを非常に言っておるのです。これはやはりそういうことで圧力によって行政が曲げられるということは一番いけないことでありますから、彼を常に私は激励もしている。そういうことがあったら私のところに言ってきなさいということで、そういう次長の処置は、何も特別に砂田産業というものに便宜を与えたというようなことは絶対にない。原田次長を私は信頼をしておるわけです。これは砂田産業だけでなしに、十九社に対して――砂田、砂田と、こう言うと、一軒だけにしたように聞こえますが、十九社に対してやった。これは基準を変えたのではないので、基準の解釈というものを忠実に公正にやるということであって、基準そのものを変えたということではないわけで、今年度はこういう解釈上の疑問というものが起こらないように明確なものにいたしたのでありまして、基準を変えるような意思は全然持っておりません。


○黒柳明君 以上、第一点、砂田勝次郎氏を激励する会、また不当割り当て、クエッションマークですか、をめぐる黒い霧、こういう一幕でおしまいにします。

 第二点、通産省の次長にお伺いします。
 昭和四十年の七月から九月までの三カ月の割り当て基準ですね、これはきまっているわけです。私も読みました。これを各社別にきめるのに作業をやったと思うのですが、いつ、何日ぐらい、どこで行なわれたか。

○説明員(原田明君) 四十年の七月から九月の一番当初の割り当てを実施いたします際の作業は、非常に忙しい時期であります。かつ、自由化を二年間やっていたあとでまた割り当てに戻すという時代であります。資料が非常にたくさんございます。割り当てなどをしようということで準備がされておらない状態のところに、しかも急速にやらなければならないということで、徹夜で作業をやったというふうに聞いております。その七月の割り当てが行なわれました直前までかかってやったというふうに聞いております。

○黒柳明君 いつ、どこで、何日。

○説明員(原田明君) 正確な日取りは、調査の上お答えいたします。

○黒柳明君 担当の人が、やった人がおるのじゃないですか、この席上に。

○説明員(原田明君) 当時の者は皆かわっておりますので、ここにおりません。さっそく調べましてお答えいたします。

○黒柳明君 輸入業務課長は出ませんでしたか。

○説明員(原田明君) 輸入業務課長も、当時の輸入業務課長ではございません。交代しております。

○黒柳明君 割り当てをきめるのに、どこでやったかわからないのですか、何日間やったか。おかしいですね。そのとき通産省の人たちが出たわけでしょう、相当。わからないはずはないと思うんですけれどもね。

○説明員(原田明君) 作業の大部分は役所で行なわれたと私は理解をいたしておりますが、その場所その他につきましても全部調べました上でお答えいたします。

○黒柳明君 すぐ調べて、場所だけでもけっこう、すぐ調べて、返事を持ってきてください、大至急。では、この問題は、すぐ調べて、終わったらすぐやります。問題を移します。

 私、この前の委員会が中途で終わったときに、バナナ業者との――失礼なことだとは思ったけれども、国会議員と結びつく会社を若干列挙しました。その問題についてまた触れてみたいと思いますが、さらに二社またふえております。ですから、計六社についてここで読み上げたいと思うのです、さきに発表した四社を含め。

 一社は、関門貿易。住所は千代田区外神田六丁目十五番地の十一。関係者は、前自治大臣の吉武恵市さん、取締役です。

 それからもう一つは、これは新聞でも出ておりました砂田産業。住所が千代田区永田町二丁目二十九。関係者は、先ほど言いました砂田勝次郎さん、これは重民さんの弟さん。

 それから先ごろあげました四社で、まず恵比寿興業。河野洋平さんをはじめとする河野元大臣の家族の方です。

 それから台湾バナナ貿易。千代田区永田町二の二十九。これは前防衛庁長官の小泉純也さん。

 日蓬産業。中央区銀座二丁目二番地。大竹平八郎さんの奥さんとむすこさん。

 それから大亜産業。住所が港区赤坂田町五丁目四番地。前衆議院議長船田中さんの現秘書の蓮実進さん。

 この六社で、国会議員あるいは国会議員の家族あるいはその秘書の人が関係をしておる会社である、こういうことが調査の結果判明しております。これは私が言うのじゃなくて、ちゃんとここに登記がございますから、この登記によって明らかです。また、通産大臣は、こんなことに関係したっていいじゃないかと、こういうふうにおっしゃると思うのですが、私はそのこと自体決して悪いとは言おうと思っておりません。むしろ国会議員が黒い霧に関係があるんだということを言われておる巷間のうわさを否定したい、こう思うから、ここで取り上げたい、こう思います。

 そこで、通商局の次長さんにお伺いいたしますが、この問題は、台湾バナナ貿易株式会社の元防衛庁長官の小泉純也さんは、昭和四十一年の七月十八日に取締役に就任し、十月の十三日に辞任しておる。これは登記ではっきりしておる。この台湾バナナ貿易株式会社は、神戸所在の有名な建隆貿易株式会社のダミー的存在である、こういわれておる。これは業界の人々もそう話しておるし、これは間違いない事実です。調べたところでは、ここにリストがございますけれども。ですから、通産当局としてこの辺についての解明をしていただきたい。もしこれが事実であるとするならば、これはちょっとうまくないのじゃないか。それを証明するために、会社の創立のときの株主名簿を出していただきたい。あるいは三年間の輸入実績、割り当て実績、それを資料として出していただきたい。いかがでしょう。


○説明員(原田明君) 手元に現在はございませんので、整えまして提出したいと思います。


○黒柳明君 さらに、大亜産業、日蓬産業、恵比壽産業について、創立当時の株主名簿、さらに過去三年間の輸入実績、割り当て実績、そこらあたりがはっきりしますと、ダミーであるかということが明瞭になってくる、ペーパーであるかということも明瞭になってくると思いますので、この資料提出に御協力をお願いできるかどうか、伺いたいと思います。



○説明員(原田明君) 個別会社の割り当て数量は、私ども公開はいたさないことになっておりますので、その点お含みをいただきました上で委員会に提出をさせていただきたいと存じます。

 なお、建隆と御指摘の会社がダミーであるかどうかというのは、私どもうわさとして聞いているだけでございまして、これを証拠づけるのははなはだむずかしいかと存じます。また、こういう会社が割り当てを幾らずつもらっており、かつ輸入を幾らずつもらっておるかということがわかりましても、それだけでこの会社がダミーであるかペーパーであるかというようなことを判定することもきわめて困難ではないかというふうに存じております。


○黒柳明君 そうすると、委員長決裁によって資料提出も可能である、こういうことですか。


○説明員(原田明君) 会社自体の登記簿とかそういうものを会社が私どもに提出を承諾いたします場合には可能でございます。割り当て実績その他役所のほうで行なっている事務については、私どものほうから提出可能でございます。


○黒柳明君 それと、先ほどの関門貿易株式会社についても、計六社について、先ほど言いました三点のことの資料要求をお願いいたします。それによって、いま次長さんのお話ですけれども、ダミーであるかどうか、こんなことは、当事者なんですから、はっきりわかっております。ここに聞いている人たちは、全部いまの話はわかっているんですよ。次長さんだけが一人そういうことをおっしゃいますけれども、これはちょっとおかしいのじゃないか、私はこのように思いますが、とにかく資料要求をお願いしたいと思います。

 次に、いまの国会議員あるいはその家族、秘書の方との関係を調べていくにあたって、六百六十数社バナナの会社があるわけですから、それの謄本をとっていったのですが、その謄本をとっていく過程において、非常に幽霊会社が出てきた。その幽霊会社は、輸入組合員として登録されてある。当然輸入割り当ても受けてある。ところが、現住所に行っても、登録がしてない。ということは、これは脱税をするためではないか、何かそこに幽霊会社としておかしな存在がある、このように思うわけなんですが、それを調べた結果を、相当数ありますけれども、若干読み上げてみます。登記の不明な幽霊会社です。割り当ては受けております。輸入組合の名簿にも載っております。登記はないです。若干読んでみます。

 安永商店、住所千代田区外神田三の二の十一、代表者安永義雄。

 台湾青果物輸入連盟組合、住所大田区入新井四の八十一守屋ビル、代表者松本武雄。

 岩手バナナ輸入加工組合、住所盛岡市南大通二の十の三、代表者高橋政吉。

 愛知中央台果株式会社、住所岡崎市八帖町字向田七十八の二、代表者宇佐美和夫。

 北九州青果株式会社、住所北九州市小倉区浅野町二、代表者百合野稔。

 以下ずっと列記できますが、非常に数多くのそういうおかしい幽霊会社がここに浮かび上がってくる。そうして、これは、先ほども言いましたように、税金対策か何かでこういうことがされているのではないか、こういうことが常識的に頭に浮かびます。それについて、どのように処置をされ、また、現在どのような対策をとっているのか、それについて大臣、次長さん、それから国税庁の長官がいらっしゃらないので、どなたか出席していると思うので、三者からお伺いしたいと思います。どう処置するか、現在どういう対策を立てているか。


○国務大臣(三木武夫君) 私は黒柳さんに言っているのは、国民の疑惑を解きたい、この機会に。これは一つのやはり機会でありますから。そういう点で、幽霊会社で、それが税金を免れるための幽霊会社、これは違法の行為でありますから、こういうものに対しては割り当てということもむろん考えなければならぬでしょうし、これの実態を調査をいたすことにいたしております。そして、もっと輸入を明朗なものにするという私の趣旨からいたしましても、この実態の調査をいたさなければなりませんので、それをいたすことにいたしたいと思います。

  〔理事野知浩之君退席、委員長着席〕

○説明員(原田明君) いま御指摘いただきました会社がどういう意味で幽霊会社であるかどうか、私どもは証拠を持っておりませんが、私どもも幽霊会社に割り当てをするつもりは全然ございませんので、割り当てをいたします際、あやしいと思われます会社からは納税証明書の提出を求めまして、納税をしているという証拠がない場合には割り当てを行なわないたてまえをとっております。ただ、現在私どもが調べましたところでは、割り当てをもらっている会社は、すべて輸入のインボイスその他、自己の名義で輸入をしたかっこうになっております。その意味で、書類の手続上はどうにも幽霊会社であるという断定がきわめて困難な実情にございます。また、ペーパー業者という概念と違う幽霊会社という概念であるのか、そこらも非常に問題でございますので、なお調査検討させていただきまして、十分に検討したいと思います。それから輸入組合は、組合員の会社からは全部謄本をとっているものと私どもは承知をいたしております。


○黒柳明君 私は、そこら辺のことが非常におかしいと思うんですよ。まあおかしいと言っては酷評かもわかりませんけれども、輸入割り当てをするわけです。その輸入割り当てが業者にとっては生命です。死活の問題です。多くとりたい、みんなが。そこからいろいろ黒い霧が発生するわけです。政治家と結びつくのです。その割り当てをする通産省が、先ほども言ったような業者との結びつきを知らない、あるいはこういうことも知らないで割り当てをするのであったらば、いま言ったように、その背景を知って一これは国税庁のほうにも言っていただかなければならぬのですけれども、そういう背景を知らないで割り当てをぼんぼんしてしまうと、そこに問題が起こる。

 それはそれとして、その次に入っていきますけれども、国税庁の人に聞きます。この問題をお願いします。



○説明員(中嶋晴雄君) ただいまの御質問は、台湾バナナの輸入割り当てを受けた会社について、登記が済んでいない会社があるではないかというような御質問だと思います。それが脱税目的ではないかというようなお話だと思うのでございますが、私ども実はそういう事実をつかんでおりませんので、会社が幽霊会社であるかどうかということをただいまのところ申し上げる事実を持っておりません。ただ、適正な課税はいたしておる、かように考えております。


○黒柳明君 全部が幽霊会社じゃないにしても、中には住所変更してあるところもあります。ところが、三年、二年の間登記をしていない。こういうものも脱税の何かにおいがするのではないか。全部幽霊会社と言うのではありません。その点、国税庁のほうも何らかの手を打ちつつある、また、これから手を打たれるのではないかと思いますけれども、当然こういうことは知っておられるのではないかと思います。

 それからもう一点は、バナナ業者から一これは政治献金ですから別にやましいことではない、りっぱなことですが、全日本青果貿易、東食、日本バナナ協会などから、これは名前をあげて失礼なんですが、民社党の中村時雄さんの後援会である時交会や、自民党、あるいは国民協会、その他計五礼に対して政治献金がある。これ自体は違法なものではございません。ただ、こういうところの事実の裏に隠された、要するにハンド・ツー・ハンドで、相当のお金がばらまかれておるのじゃないか。現に、これはうわさだけれども、公然の秘密である。これはほんのうわさです。

 こんなことを言っては失礼ですけれども、名前をあげなければいいのじゃないかと思いますけれども、昭和四十年六月三日から四日あたり、いわゆる輸入割り当てをする直前に、第二組合を結成して、第二組合の人たちが、業者が七社集まって百万から三百万くらい集めて、一千万を某代議士に贈って、その政治的背景によって第一組合をつぶそうとした。こういううわさも公然の秘密らしい。

 さらに、四十一年四月二十二日赤坂の某料亭において、同じく業者が集まって、同じく一千万くらいを出して、そうして代議士、国会議員に出して自分のほうのアンチ派に対しての工作をしてもらう、こういうようなことで八百万から一千万くらい動いたのじゃないか。これまた公然の秘密らしいのですが、こういうことは残念ながら確たる証拠はございません。だけれども、証拠がないからこの問題はきめ手にならない、こういうわけにはいかない。かえって証拠がないところにこそ黒い霧が立ちこめ、いつまでたっても疑惑が晴れないのじゃないか。

 私の言いたいことは、国税庁の方に質問したいことは、こういう政治家の人たち、バナナ政治家の脱税の問題、そこまで手をつける意思がおありかどうか、お伺いしたいと思います。



○説明員(中嶋晴雄君) ただいまの御質問の点は、私ども、そういう事実があるのかないのか、まず事実がはっきりしなければ何とも申し上げられませんが、ただ、所得説の申告は、これは国民だれでもございますけれども、適正な申告をしていただいて、その上に国の財政が営まれる、かように考えておるわけでございます。

○黒柳明君 いまのわかりましたですか、場所、日にち。


○説明員(原田明君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、当初の作業は、輸入自由化時代からの戻りでございます。非常にたいへんな作業であった。当初は輸入業務課の事務室で行なっておりましたが、時間が切迫してまいりまして計算が全然間に合わなくなりました。そのとき、輸入組合の設立準備会から計算事務協力の申し入れがございました。これは、将来、輸入組合は、シェア協定をつくって、同様な作業をやって、それによって輸入秩序の維持をはかるという目的のために設立を通産省から呼びかけていた段階でございます。設立準備会の部屋に計算機を持ち込みまして、そこで数日間徹夜作業をやったというふうに聞いております。

○黒柳明君 事務所はどこですか。

○説明員(原田明君) 準備会の事務所は、ホテル・ニュー・ジャパンでございます。

○黒柳明君 何日ですか、日にちは。

○説明員(原田明君) 数日間と聞いております。四日から五日と聞いております。

○黒柳明君 五日間行なわれた。――もうめんどうくさい。時間もたっちゃいますからね。五日間ホテル・ニュー・ジャパンで行なわれた。通産省からだれとだれが出たか。業者側でだれが出たか。いま、業者が準備委員会のほうから出たと言いますけれども、もとの業者関係はどういう関係か。いかがでしょう。

○説明員(原田明君) 当時の輸入業務課長並びに課長補佐ら、担当の事務官二名並びに課員数名が出席をいたしております。

○黒柳明君 もとの業者関係は。

○説明員(原田明君) ちょっと聞き取れないのですが……。

○黒柳明君 もとの業者関係。まだ組合ができてない前でしょう。準備委員会でしょう。

○説明員(原田明君) これは組合設立の準備委員会を構成していた各団体がございます。その事務局から出たというふうに聞いております。

○黒柳明君 その費用は幾らぐらいかかったか、それから支払いの年月日。

○説明員(原田明君) いま直ちに調べがございませんので、後ほど調査の上お答えいたします。

○黒柳明君 すぐ電話で聞いてください。支払い年月日と、幾ら出ているか、すぐお願いします。
 そこで、割り当ての業務ですけれども、たしか忙しい云々とおっしゃいましたのですけれども、この割り当て業務は輸入貿易管理令の第九条に基づく通産省の業務だと思いますが、そうですが。

○説明員(原田明君) さようでございます。

○黒柳明君 先ほども若干触れましたけれども、この割り当ての数というのは、これは業者にとっては非常に重要な影響があるんです。この割り当てを多くとりたいと、こんなようなことで皆やっきになるわけですけれども、その業者に直接利害関係があるそういう内容をもった業務を、数社の業者、数人の業者を呼んでどうして通産省当局がやらなければならないか。そのあたりの理由はどうでしょう。

○説明員(原田明君) 数人の業者を呼んでやったというのは誤りでございまして、準備会を構成する各団体から事務局員が出て計算事務を手伝ったというのが正確でございます。輸入組合は、先ほど申し上げましたように、みずからの手で輸入秩序を維持いたしますためにシェアを自分できめるという作業をやらなければならなかったのですが、そのためにはほとんど同種の作業をみずからの手でやるということになるわけでございますし、その場合に設立の準備会を構成している各団体から全部事務局員が出てきております。きわめて公平な立場で計算の事務を手伝っていただいたということでございまして、一部の業者とだけ割り当ての計算、割り当てをやったということではないと承知をいたしております。

○黒柳明君 そうすると、通産当局は、この第九条に基づいた業務を執行する権限といいますか能力がないのか、それが第一点。
 それからたとえ仕事がいかに忙しいにしても、そういう忙しいときこそどさくさにまぎれて間違いがある。間違いが起こったときの責任は業者に負わせるわけにいかないという。それでもなおかつそういう者を入れて手伝わせなければならないのか。その点はいかがですか。

○説明員(原田明君) 先ほど申し上げましたとおり、非常に事態は切迫しておりまして、バナナは腐る寸前にあるというような状態にございました。数日を争ってこちらに入れなければならない、そのためには割り当てを実施いたさなければならぬ、こういう状態にございました。したがいまして、その当時の状態といたしまして、ほとんど徹夜で通産省関係だけで計算をいたしましたけれども、それは間に合うということが不可能という状態に立ち至ったわけでございます。この場合、手伝いをいたしました者は、あくまで計算を事務的に手伝うだけでございます。もちろんそれから生じます責任その他はすべてこの場合通産省に帰するということになるわけでございます。

○黒柳明君 大臣にお伺いします。
 たとえいくら忙しいにしても、たとえばこういうことがあるんですよ。どろぼうを取り締まる、調書をつくる、その取り締まり当局が、向こうの被容疑者の関係をそこに入れて調書をつくったら、どういうことになるかと思いますか。管理される人のほうを呼んで、そしてそういう業務をやらせるほど、それほど通産省は無能なのか。たとえどんなに忙しくたって、それを遂行するだけの能力がないのか。またその次にそういうことが起こったら、そういうことをやり得るのかどうか。私は綱紀の紊乱じゃないかと、こう思うんです。いかがですか。

○国務大臣(三木武夫君) いま、黒柳さん、どろぼうの例をとってお聞きになったんですけれども……

○黒柳明君 たとえばです。

○国務大臣(三木武夫君) これは、輸入組合をつくろう、秩序のある輸入をするためにやっぱり組織を一本にせなきゃいかぬというので、輸入組合の準備会でそれに一部の人が参加をしたということで、これは犯罪の場合に例をとって言われることは少し事実が酷であると思います。ただ、計算をするためにどうしても組合としては協力を得なければできなかったので、計算をするのに協力をしたんでしょうが、しかし、こうやってあとになってこういう場合に言われてみると、やはり通産省がそういう割り当てなどをするのですから、出向いて行くということはやっぱり誤解を生ずる。それは、徹夜であっても、通産省の中でやるとか、そういうことはやはり李下の冠という話もありますから、こういう点は今後はたとえそれが  このときは、これによってみな準備会の人たちが寄って来ているわけですから、計算も一人一人に割り当てを幾らというのじゃなしに、昭和三十八年から四十年までの実績というものが中心になって、そういう実績の計算ですから、人間の顔を見て幾ら幾らという割り当てでなくて、一つの基準年次における実績が基礎になっているわけでありますから、そういう計算をするというために非常に急を要した場合でそういうことをいたしたと思いますので、そのことがこの割り当てに対して不公正なことがあったということに対しては、私は……


○黒柳明君 そこまで言ってない。

○国務大臣(三木武夫君) そういうことはない。しかし、こういうことはやはり誤解を生じやすいから、今後はそういう――そのときの事情にはやむを得ない点もございましたけれども、今後はこういうことはいたさせない方針でございます。このときは、しかし、これによっていろんな黒い霧の発生の原因がここにあるように言われることは事実に相違しておる。しかし、今後は、バナナを明朗なものにしたいというのが私の願いでありますから、いやしくもそういう誤解を生ずるようなことは今後はいたさせない方針であることを明らかにいたします。

○黒柳明君 仮定の問題として、いままだ報告が来ませんが、費用が全部業者負担としたら、たいへんなことだと思うんです。大臣、いかがでしょう、仮定の問題として。


○国務大臣(三木武夫君) これは、業者と、こう言うのですけれども、設立準備会ということで、それがバナナの輸入秩序を確立するためにそういう組合をつくってやろうという方針にのっとってやったのですから、単純なバナナ業者と言えない性格を持っておったと思いますが、この支払は……


○黒柳明君 いや、仮定の問題として、業者が払ったとしたらうまくないじゃないかと、こう思うんですけれども、それはいかがでよう。


○国務大臣(三木武夫君) そういうことはあると思いますけれども、それは組合の準備会が払ったのかもしれませんよ。しかし、その払ったことも一もし払ったとしたら払ったことも、こういう場所へ行ってやることも、このことに不正が行なわれたということは、私は断じてそういうことは信じません。しかし、いやしくも誤解を生ずるようなことは今後はいたさないほうがいい。だから、今後はやらせないということを申し上げておるのでございます。


○黒柳明君 大臣のおことばはよくわかるような気がするんです。確かに、そういうことをやっちゃうまくない。今後はやらさないのでありましょうけれども、一点わからないことがある。このことがそういう割り当てに不当なことがあったということは信じませんと。これは信ずる信じないということは大臣の主観だと思うんです。客観情勢はどういうことであったか、大臣は御存じですか。客観情勢を知っての上でそういう発言をしなきゃうまくないと、こう思うんです。いかがですか。


○国務大臣(三木武夫君) 信じないということは、いま申したように、ある基準の年次があるわけでしょう。その実績によって割り当てをするので、基準なしにいろいろ人によって割り当てをきめたわけではないわけですし、このときの会というのはそういう計算だけであって、何もそれに対して不公正な取り扱いをするとかなんとかいう余地はないのであります。しかし、それでは、あなたが、信じないということでは不適当であるというのならば、そういうことはこれによって不公正な取り扱いはいたさないと言い切りましょう。

○黒柳明君 いま、大臣が、計算だけをやったと、こういうふうにおっしゃいましたですけれども、どういう事実をもって、この場合において計算だけをやったのだと、こういう御発言で断定できるのでしょうか。

○国務大臣(三木武夫君) 私は、こういうことなんです、黒柳さん、バナナというものに対しては口をすっぱくしている……

○黒柳明君 いやいや、いまのことに答えて。

○国務大臣(三木武夫君) いまのことで答えているわけです。それで、これにかかわり合った係官が、この割り当てをやる基準というものは役所でつくったわけですから、それの計算のみであったんだから、基準をつくる会ではないという部下の報告を私は信用をするわけでございます。そういうことで私はいま申し上げたのでございます。

○黒柳明君 部下とは――たいへん突っ込んだことでしつこいと思いますが、どなたのことをおっしゃいますか。

○国務大臣(三木武夫君) 現在のところは、ここにおる原田次長、これがバナナを担当しておる責任者であります。この報告を私は信頼をする……。

○黒柳明君 いま、原田さんは、そのときの係じゃない、何も知らないといって調査をしておる。原田さんは、そのとき計算したかどうかわからないわけです。先ほど、このことは知らないと言ったわけです。いま調べている。その原田さんが計算したというそのことはいま発言できるわけがない。そのことについても調べなきゃわからないわけじゃないですか。いかがでしょう。

○説明員(原田明君) 当時の者からの報告で七月-九月の基準は役所でつくったわけです。その役所のつくりました基準は、三十八年と九年の二年間における割り当て実績に基づきまして、それが各会社別に幾らあるかというのを計算をいたしました。四十年七月-九月から割り当てます百五十万かごという総量をその比率で分けると各社が幾らになるかという計算をする作業でございます。したがいまして、この作業は当然計算だけやったということになるわけでございますので、その旨を申し上げたわけでございます。

○黒柳明君 私はそれを信じたいと思いますけれどもね。だけれども、そこに矛盾があるじゃないですか。先ほど言ったことは、何も私知りません、そのときの課長は違う課長です、そのメンバーが違ってますと言うけれども、その一点だけは報告を受けていますと。それじゃ、ほかの事実にわたっても責任者として報告を受けて、現実を客観情勢をどうして把握しないか。そこらあたりは責任者として怠慢じゃないか。私はこれ以上その時点において質問しません、時間も迫っていますから。費用の額も来ませんし……。

 それからその四十年の七月の割り当てをきめる時点において、バナナ業者から輸人実績の報告を出さした、こういう事実がありますでしょうか。いかがですか。


○説明員(原田明君) 当時の割り当て実績で行くか、通関――船積みの実績で行くかということは、確定をいたしております。非常に両説が強うございました。その意味で、通関実績も一応調べるべきではないかという立場から、輸入業者に対しまして輸入の通関の実績を報告をしていただくように正式に輸入注意事項でもってお願いをした事実がございます。

○黒柳明君 そうすると、輸入実績をとったと、こういうわけですね。とって、それが相当数になったと。それの処置はどのようにしたわけですか。

○説明員(原田明君) その輸入通関実績表をとりまして、それを計算をしてみようということで、それも同じように作業を始めたわけでございます。ところが、御存じかと思いますが、割り当てに基づきまして輸入いたしますときの輸入の通関は、二百かごというような単位で船積みの配船などをやっているとかいろいろな関係がございまして、非常にこまかく分割をされて船積みされてまいります。したがいまして、一つの会社の船積み通関の資料だけで茶箱に何ばいというようなふうに非常に膨大な資料が通産省に届いたわけでございます。それを計算をしますべく、ほとんどこれも徹夜で計算の作業をやったわけでございますが、結局、資料上のミスその他もかなりございまして、そういう確認作業は進展をいたしませず、他方、発券の期日というものが切迫をいたしましたので、輸入通関実績による割り当ては不可能という判断に達しました。割り当て実績でもって行くということにきめたわけでございます。その調査表は、その後ずっと通産省で保管をいたしておりましたが、最近、輸入組合におきましても、同じような立場からやはり組合の中に通関実績を基準にすべきであるということを主張するごく一部の会社がございます。また、組合の立場から見ましても通関というものも把握しておるほうが役に立つ場合があるかもしれないということがございますので、組合で通関実績を調査しようという話がきまりました。各組合員に、ことしの五月、輸入実績を証明する資料の提出を求めたわけでございます。ここで、各組合員は銀行に参りまして、再び輸入実績証明書の作成を依頼をしたわけでございます。これは本人がこれだけ通関しましたと言うのでは証拠力がございませんので、銀行の証明を要するわけでございます。ところが、銀行は、昭和三十二年の九月の輸入注意事項で、同じ実績証明用の輸入承認書の写しを二度つくってはいけないという二重作成を禁示せられておりますので、断わったわけでございます。したがいまして、それでは現在すでに通産省に提出をしたその同じ証明書を業者のほうに返還をしてくれという要望がございました。そこで、通産省では、この申し入れに基づきまして、五月の三十一日に各提出した責任者を招きまして、上記の資料を返還をいたしました。それは現在輸入組合にあるというふうに承知をいたしております。



○黒柳明君 それから法務省の刑事課長さん、いらっしゃっていますか。このニュー・ジャパンの業者と通産省当局との作業というか、いま数字は来ませんのですが、私たちのほうで調べたところ、大体五十万円くらい業者のほうから出ておりますが、これは明らかに職務と直接に結びついた供応じゃないか、何かこれが刑法に触れるのじゃないかと、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。


○説明員(石原一彦君) 本日と明日、全国次席検事会同がありますので、刑事局長が議長を勤めておりますので、私がかわりに参りました。
 ただいま、供応、まあ贈収賄罪という疑いがあるのではないかというお話でございましたが、本日の会同の目的は、検察の重点でございまして、公務員犯罪に対して厳正なる態度をとるという方針が確認されているわけでございます。しかし、いまお話を承っておりますと、いわば贈収賄罪につきましては、職務の関連性というものが非常にむずかしいわけでございます。それから供応でありましてもわいろでございますが、わいろは職務に関する不法な利益でございますが、ただいまお話を承っただけでは、直ちに犯罪が成立するということにはならないのではなかろうか。むしろ私ども証拠によって判断しなければなりませんのですが、いまのお話だけでは、まだそう断定する証拠にはならないのではないかというぐあいに考えます。



○黒柳明君 問題を変えたいと思います。
 まだ金額がきませんか。-昭和四十一年五月十四日、通産省のバナナ関係の責任者が例の伊東の山岸園でもてなしを受けた。これは衆議院でもありましたが、通産大臣が遺憾の意を述べた。このことは既報の事実ですから、次長さんにお伺いするのですが、そのとき通産省側で出席した人はだれか、業者側から出たのがだれか、名前を教えていただきたいと思います。


○説明員(原田明君) 通産省側からは、今村貿易振興局長と、それから輸入業務課、企画課及び農水産課という三課の課長、及びその下におります数名の係官であります。それから業界からは、輸入組合のこれは職員のレクリエーション旅行であるというふうに聞いておりますので、輸入組合の職員が女子職員を含みまして約二十五名ぐらいがバスに乗って行ったというふうに聞いております。それから、組合の委員と言っておりますが、常任理事に当たる役員約十五名、総員約五十名程度が行かれたというふうに聞いております。


○黒柳明君 大臣は二時までだという約束ですから、もう一、二問お願いします。
 先ほどの砂田勝次郎を励ます会、この質疑でも触れた謝哲信、その方は出ておりましたですね。――出ています。それから小泉純也さんの辞任したあと、台湾バナナ貿易――建隆という華商の会社だと、こう思うんですが、その代表取締役の佐久間正己さん、その方も出席している。まあ台湾の人と仲よくすることは、当然悪いことじゃないんです。ところが、バナナ関係の当局者が、華僑あるいはその華僑のかいらいと目されるような人たちと飲食をともにする、こういうことは非常にうまくない。まあ大臣も遺憾の意をあらわしたわけですが、その後この真相をよくお尋ねになってみたでしょうか。先ほどの励ます会、これと非常にケースがよく似ているんです。もう励ます会はくどくどとここで言う必要がないと思いますが、このことは非常によく似ている。その点からみても、一脈通ずる。大臣のお考えはどうでしょうか、真相を聞いてみたかどうか。それと、先ほどの砂田勝次郎を励ます会とそれからいまの伊東における山岸園における問題とは非常に一脈通ずる点がある。この両方を比較してみて、大臣の御意見を承りたい。


○国務大臣(三木武夫君) 励ます会は、私はきょう初めて聞いたのですが、このことでいろんな不正があれば別ですけれども、きょう聞いた中で感想といいますか、私の意見は、前に述べたとおりでございます。しかし、この伊東の件については、私もこれは真相を確かめました。これは、いま次長の話がありましたように、ちょうどそのときに通産省の人事異動があって、たしか今村君も次長から局長になったときです。輸入組合を、バナナを一本にするというために、一年間これを軌道に乗せるために非常に苦心をして、その間何もレクリエーションもなかったし、そういうことでレクリエーションをし、かたがたそういう要請があったりしたので、そういうことでひとつ来賓として出てくれという非常に熱心な勧誘を受けて、そして自分もそう深く意にとめないで出ていたのでありますが、考えてみるとこれは適当でないということで、私にも今後十分注意をしたいという話をしておりました。まあその行ったときの気持ちは、そのことによって業者と結びつけてそしていろいろ便宜をはかるというような考え方があったことは絶対にない。ただ、しかし、伊東まで行って、一緒に、レクリエーションであろうが、歓送迎会であろうが、こういうところに出るのは私もやはりまずいと思っております。

 そういうことで、これは厳重に注意を与えまして、そういうことは普通の社会慣習といっても、割り当てを通産省がしておるのですからね。そういうふうな慣習は日本の中に間々ありますけれども、しかし、いやしくも割り当てを通産省がやっていく以上は、そういうことでもし疑いを持たれた場合に、それは絶対にそういうことで便宜をはかることはないということを言い切りますよ。しかし、いろいろこうやって話題になるだけでも非常に明朗を欠くではないかということで、私も十分に注意をし、今後もこういうことは絶対にやらさないということでございますが、感想はどうだと聞かれれば、それはほめたことではない、そういうことはやるべきではない。いやしくもそういう割り当てをやるような役所はもうコーヒー一ぱいもごちそうになってはならぬ、それは一つの役人のモラルだと私は思っております。


○黒柳明君 刑事課長さんにお伺いしたいのですが、この山岸園の問題で――公務員の供応問題がいろいろありますね。先ほども検事会同においてそういう問題を取り上げ、綱紀の紊乱ははなはだしいわけです。この山岸園の問題は、公務員犯罪の激増しておる折りから、一般的状況から見て、あるいは刑事問題と結びつかないか、供応贈収賄にならないか、こういう点はいかがですか。


○説明員(石原一彦君) 先ほどのホテル ・ニュー・ジャパンにおける計算の共同作業でございますか、それとややニュアンスが違うようにも思います。通常の儀礼を越えたものがあったかどうかという点は明らかに問題になる点があろうと思いますが、ただいまのお話だけで直ちに収賄罪が成立すると断言することは、現在のお話だけではいたしかねる、かように考えます。


○黒柳明君 じゃ、大臣にもう五、六分御足労いただきまして、華商の問題を、きょうは外務省を呼んでおりませんので、通産大臣にお答え願うのは若干はずれておる点もありますが、常識的なことですから、ひとつ大臣のお考えを述べていただきたいと思います。

 日本人が、現在、台湾に行って、そして日本人の商社を在日華僑のようにどんどんつくることはできない、どんどん登記することはできないわけです。そうすると、何か不平等のように感じるのですが、この点はいかがでしょう。――もう一回言います。在日華僑に限らず、外国人がどんどん土地を買ったりなんかして商社をつくる、登記する、こういうことがあるわけです。これはたとえばバナナの問題に関係もするんですけれども、日本人が外国に行った場合には、在日華僑のようにどんどん登記することはできない、商社をつくることはできないわけです。何か不平等だ、こういうふうに感じるわけですが、こういう観点はいかがでしょうか。御意見は。


○国務大臣(三木武夫君) これは、いま、普通の場合は、たとえばアメリカ、西欧諸国というものは、そこへ日本が資本を持って行っていろんな事業を興したりすることには何らの制約がないのですが、台湾の場合は、私の解釈ではいま台湾でもできるのではないかと思うのですが、これは次長から少し答えることにいたします。


○説明員(原田明君) またおしかりを受けるのではないかと思いますが、日本国と中華民国との間の平和条約という条約がございまして、その議定書の中でお互いに最恵国待遇を与えるということが約束されております。その場合に、「法人への参加並びに事業活動及び職業活動の遂行に関して、一方の当事国が他方の当事国に対し最恵国待遇を与えることが、実質的に内国民待遇を与えることとなるときは、いつでも、この当事国は他の当事国が最恵国待遇に基き与える待遇よりも有利な待遇を与える義務を負わない。」と、こうなっております。しかし、現在、日本とアメリカ合衆国との間に最恵国待遇及び内国民待遇がございまして、一定の制限業種以外には内国民待遇が与えられておると思います。したがって、それが均てんをいたしまして、法律上日本の事業活動が特に制限をされておるということはないのではないかというふうに考えますが、実態の問題としてそれがどのように運用されておるかというのは、商売上の問題でございますので、在日華僑が日本において自由な活動をされると同程度の自由さが日本の台湾にある会社に必ず与えられておるかどうかというのは、明言できないのではないかというふうに考える次第でございます。



○黒柳明君 たとえば、大臣、日本のバナナ組合が六、四あるいは八、二で台湾バナナ業者に実権が握られている、こういうことがあるわけなんです。それについてはどのようにお感じになりますか。


○国務大臣(三木武夫君) これは、やはりこういう背景には――技術的なことは次長からお答えするでしょうが、背景にはこういう点があるんですね。案外日本のバナナの需要というものは強い。したがって、いま三年間の間に八倍になってもバナナが売れる。そういう点で、台湾の供給力というものがだんだんふえてきておるけれども、必ずしも今後の日本の需要というものが無制限とも言えないでしょうが、日本の需要に合致したような供給力になるかどうかというのは疑問なくらいにまだやっぱり日本ではバナナの輸入が相当にあるというわけであります。そういう点で、どうしても売り手市場になりやすい性質をバナナは持っておるんですね。そういう点で、輸入組合などをつくったのも、向こうは割り当てをやっておるわけですから、どうしてもこちらがいろいろな国辱的なことも行なわれたりするので、輸入組合で秩序をつくろうということになったわけで、実際問題としてどの程度華僑といいますか台湾側にバナナの輸入が握られておるかという問題は、これはなかなか計算はむずかしいでしょうが、次長からその点についてはお答えいたすことにいたします。


○説明員(原田明君) その前に、先ほどの私の引用条文が間違っているのではないかと考えますので、ちょっと……。日本と中華民間との間の平和条約の議定書の2に、「海運、航海及び輸入貨物に関する最恵国待遇並びに自然人及び法人並びにその利益に関する最恵国待遇。」というのがございまして、「この待遇には、税金の賦課及び徴収、裁判を受けること、契約の締結及び履行、財産権、法人への参加並びに一般にあらゆる種類の事業活動及び職業活動(金融活動及び一方の当事国がその国民にもっぱら留保する活動を除く。)の遂行に関するすべての事項を含むものとする。」というふうに書いてございますので、おそらくバナナ輸入事業というふうなものに与える仕事は法律上は制限されていない、こういうふうに条約上は制限されていないというふうに考えております。

 それから華僑の問題でございますが、華僑の問題は実態上はなかなか把握しにくい問題でございます。私どもも、会社の社長さんが華僑の方でいらっしゃるところ、これはわりにはっきりいたしておるようでございますので、それを調べました結果は、大体二三、四%程度が華僑の会社で輸入組合中あられるのではないか。ただ、一般に、混血といいますか、社長さんは華僑ではないけれども華僑系であるといわれるものがいくらあるかという判断は、人によりまして非常に違っております。七、八%であるという非常に狭い立場をとる方から、二〇%に及ぶという方、さらにひいてはもうちょっと高いという方まで、非常にたくさんおられるようであります。したがいまして、非常に狭い意味で解しますと、華僑並びにその系統というのは三割余り、それから非常に広く解しますと五五%ないしそこら以上というくらいになるのではないかと考えております。

 ただ、この場合に、華僑の方であるというだけの理由でその事業活動を制限するというような差別をやるということは、これは非常にむずかしい相談ではないか。

 それからまた、華僑の方が、実際問題といたしまして台湾のほうの輸出業者の方と関係が非常に深くて、実力をお持ちでありながら、かつ船も華僑の方がお持ちという関係がございますので、そういう関係から、どうしてももし野放しというような状態になった場合には、華僑の方が実力がおありになって強くなるという状態が起こるのではないかというふうに一般にいわれているようでございます。

 ただ、現在、私どもが輸入秩序を確立するという目的で割り当てをやっております場合に、そういう意味で華僑を押えるという目的でやっておるというようなことは一切ございませんで、輸入秩序の維持、それから安いバナナを消費者に供給いたす、台湾との重要なバナナ貿易が健全な発達をいたすというような観点から見て特に弊害が起こらない限りは、華僑であるからという理由で行政上何らかの差別的ないしは抑圧的な措置をとるというのはいかがかというふうに存じておる次第でございます。この問題はしかし非常にむずかしい問題でございますので、なお十分実態の把握その他今後の検討を進めさしていただきたいというふうに考えております。



○黒柳明君 最後に、大臣にいまに関連してですが、私は何も日本人と台湾の人が仲よく手を結んで貿易をする、こういうことがだめだと言っておらない。あくまで自民党・政府が、失礼な話ですが、不平等のもとに国民を追い込んで、そうしてある政治家が華商と結託してそちらに利益を与える。そういうようなことをやっておったんでは――そういう事実がどこにあると言われても、私はここにあると断言はできません。ですけれども、先ほどからの一連のこういう話を聞いていれば、決してないとは言えない。ありそうだということが、非常ににおいがぶんぷんとしてくる。また、事実あるという話である。そういうもとにおいてむしろ通産省の役人の方をおこってもしようがないじゃないか。いまのような台湾バナナをめぐる黒い霧の根本はそこにある。華商と政治家との結び合い、それが日本の商社と華商との不平等、利益配当が不平等になる、こういう結果にあらわれているんじゃないか。これを根本的に解決していきませんと、いま次長さんの話ではないけれども、むずかしいには違いないけれども、そのむずかしいところを克服してそうして打ち破っていきませんと、この問題は最終的な結論は出ない。これは私の私見でございますが、この点、重ねて大臣の御意見をお伺いしたい。


○国務大臣(三木武夫君) 最初に申し上げたように、いろいろこういうことで政治家も迷惑をされている人がたくさんあると思います。そういうことで、こういう問題はできるだけ解明をして明朗なものにしたいということを考えておりますので、いま最初に黒柳さんの質問に私が答えたように、いろいろな方法を検討してみましょう。そうして、このバナナの輸入というものが国会の問題にならないようなものにしたいと願っているわけでございます。今後、したがって、野放しはできないわけですね、この問題は、割り当てをしているのですから。だから、やはり割り当て基準というものを厳正にして、輸入組合というふうなものが要るわけであります。これは健全に育っていくということが中心だとは思いますが、その間不法なこと、違法なことがあるならば、これはやはりメスを入れなければならない。ただうわさだけというようなことではなかなかむずかしい点がありますが、しかし、そういう不法とか違法のようなことがあれば、これはもう断固として排除しなければならないし、また、そういう疑惑を残す余地のないような仕組みというものは考えられないであろうか、いまのやり方について。そういうことで、輸入組合それ自体、基本方針は変わりないけれども、そういう中にあって何かもっと明朗なものにするためにこの際やる方法があるのではないかというようなことで検討を加えておるのでありますから、この問題は多少の時間はかかると思いますけれども、できるだけメスを入れて国民の疑惑を解きたいというのが私の決意であるということを最後に申し上げておきたいと思います。



○黒柳明君 どうもありがとうございました。
 次には、刑事課長さんにお伺いしたいと思いますが、先ほどのホテル・ニュー・ジャパンの割り当て作業の問題、あるいは山岸園のもてなしの問題、これについては見解は伺っているわけですが、これは今後どのような処置をなさるつもりであるか、重ねてですけれども、お伺いしたいと思います。今後どのような処置をするつもりであるか。

○説明員(石原一彦君) おそらく、御質問の趣旨は、直ちに捜査するかしないかということではないかと思います。これは、従前委員会で申し上げておりますとおり、捜査の秘密に属することでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。ただ、私ども従前から、何か犯罪的なものがあるというような資料を得ましたときには、しかるべく検察庁に送るという方法をとっております。これは投書であるとかその他の申告であるとかというものも全部同じでございますが、そういうふうにしております。今回のこの委員会の議事につきましても、議事録ができましたあと私ども検討させていただきまして、しかるべく善処いたしたいと、かように考えております。

○黒柳明君 問題がかわりますが、四十年二月三日に、神戸所在の建隆貿易株式会社及び大永航業株式会社、これはいずれも台湾に輸出会社、船を持っている会社で、自分で持ち船でバナナの輸出入をしているわけです。その荷を受けている建隆グループ、これがあるわけです。それが非居住者のためにする居住者への支払いですか、為替管理法の第二十七条違反の容疑で起訴されて、公判係属中だということを聞いておりますが、その起訴事実の概要と、できれば公判の過程についてお伺いしたいと思います。


○説明員(石原一彦君) 昨晩質問の通告を受けまして、もう現地の検察庁は帰っておりましたので、けさ電話をいたしまして、電話の聞き取りでありますので正確であるかどうかはっきりしない点もございますが、一応調べたところを申し上げます。

 建隆貿易株式会社は、昭和四十年一月八日、おそらくいわゆる外為法違反ではないかと思いますが、それで事件を受理いたしまして、昭和四十年二月三日に起訴いたしております。被告人は、おそらく建隆貿易株式会社の代表取締役の陳建忠という人であろうと思います。

 起訴されました起訴事実の概要でございますが、昭和三十八年七月三十一日ごろから昭和三十九年十月十七日ごろまで、約百回でございますか、合計一億二千六百万円余の金を、ただいま黒柳先生が申されましたように、非居住者のためにする支払いをしたという事実が一点でございます。あとの一点は、昭和三十八年四月ごろから三十九年八月七日ごろまで、約六回にわたりまして、合計二千四百二十一万円余を非居住者である者にかわって受領したという点でございます。

 それで、現在までにすでに公判が五回開かれておるようでございまして、次の公判は十一月二十四日というぐあいになっております。



○黒柳明君 建隆グルーブのことでそのほかの何か事実がないでしょうか。西独からバナナボートを輸入して、やはり外為管理法違反というようなことで捜査をされておる、こんなことを聞いておりますが、これはいかがですか。

○説明員(石原一彦君) ただいまの点は、承知いたしておりません。ただ、先ほど大永航業でございますかという名前が出ましたが、その件につきましては、検察庁で受理いたしましたが、起訴猶予になっておるというぐあいに承知いたしております。

○黒柳明君 警察庁のほうにお伺いをしたいんですが、いまの建隆グループの西ドイツからのバナナボートの問題ですね、これは兵庫県警の保安課でお調べになっておるのでおわかりになっておると思いますが、いかがですか。

○説明員(雨森和雄君) その件は、詳しく捜査をしたということを聞いておりません。いま刑事課長が申されました点は、警察で立件いたしまして送致して起訴されております。

○黒柳明君 一番冒頭に出ましたが、台湾の輸出同業公会の駐日弁事処ですね、国内業者の輸入したバナナ一かごについて数百円のリベートをやっておる、こういうようなうわさで為替管理法違反で調べた。ところが、リストにはそれが載っかっていない、犯罪容疑は成り立たない、こういうようなことがあったという話を聞いているんですが、その事実はいかがですか。

○説明員(雨森和雄君) この点は、いま先生の御指摘にありましたように、この三件ともいずれも外国為替及び外国貿易管理法違反でございますけれども、これが直接バナナの輸入代金の差額であるというようなことは出ておりません。


○黒柳明君 そのことは私も聞きましたけれども、ただ、帳簿に載っかってない――当然帳簿に載っけるばかはないと思う。堂々と為替管理法違反をやっていることを帳簿に載っけるばかはいないと思います。だけれども、先ほどお話ししましたように、陳杏村という人は非常に大物です。駐日華僑の中心ですし、それからまた、この輸入に対してリベートももらっている。一ところにまとまって集まっている。こういうような大立て者。また、日本の政界にも相当の結びつきがある。日本の警察当局が、リストだけを見て、載っかってないからこれは起訴できないという、そんな無能力じゃないと思うんです。こんな幼稚園みたいなことの捜査で起訴できないと、こんなことではなくて、変な言い方ですが、何かそこにあって起訴できなかったという事実でもあるんじゃないか、こう思うんですけれども、変な質問で申しわけございませんが、いかがでしょう。


○説明員(雨森和雄君) もちろん疑いがあれば捜査をいたしますのですが、この件につきましては、いまおっしゃいましたような事実を証明するような証拠を得られなかった、こういうことで、外国為替及び外国貿易管理法違反は、いずれもそういう差額の代金ではなくて、港湾費用その他を立てかえて払った、こういうことで立件いたしております。


○黒柳明君 国税当局にお伺いいたしたいと思いますが、先ほどから何回も言ったように、台湾バナナの輸入業者の徴税の問題、ペーパー・ブローカー、ダミーの問題ですが、国税当局は、ダミーの一覧表などをお持ちになって税金問題をお考えになっているんじゃないか、こう思うんです。この点いかがでしょう。


○説明員(中嶋晴雄君) お尋ねの台湾バナナ貿易ほかいろいろなバナナの輸入業者につきましては、それぞれの法人税の調査におきまして課税処理をしてきております。ただ、最近年度につきましては、これはまだ調査未済のものもございますので、きわめて最近時まで調査したかと言われますと、これはまだしておりません、こういうふうに申し上げる以外にございません。

○黒柳明君 ダミーの会社を疑いがあるというようなことで会社の一覧をとるというような、こういうこともおやりになったことないんですか。あるいは、そういうことをやろうという意見もないですか。


○説明員(中嶋晴雄君) バナナの輸入業者には、先生御承知のように、総合商社もございますれば、食品業者もございます。また、御質問のようなペーパー・ブローカーあるいはダミーといわれるようなものもあると思いますが、そういうようなものを集計して、それだけの法人税調査あるいは個人所得の調査をやっているわけではありませんで、それぞれの税務署におきまして法人税の調査をやっておるわけでありまして、その中で把握されておるというふうに考えております。


○黒柳明君 これは次長さんのほうまで行っているかどうか、国税庁のほうから、ダミーの会社を知りたいと。バナナのことを一生懸命調べている方に、ぜひリストを教えていただきたい、こういうようなことになって、上からの指示であるか、その人が何か疑惑があるんじゃないかということでやっておられるのか、その点は、はっきりわかりません。ですけれども、当然ダミーについて納税について考えられる、これがこれからのバナナの問題についての霧を晴らしていくところの一つの方法、一つの手段じゃないか、こう思うんですが、いかがでしょう。


○説明員(中嶋晴雄君) ただいま申し上げましたように、バナナ輸入業者だけを取り出してリスト・アップしてそれだけの課税処理をするということは、いましていないのでございますが、お話の点もございますので、十分税の調査につきましては万全を期してまいりたい、かように考えております。


○黒柳明君 念のためですけれども、こちらで調べたダミー、例の建隆関係を見ますと、十一あがってきます。井出商店、栄建商行、永昌貿易、建隆貿易、建泰洋行、台湾バナナ貿易、それから大東桜貿易、中信物産、東新商事、東生貿易、丸大と、名古屋、東京、神戸、大阪の各所にわたっています。

 それからさらに、建隆と同じような大きな信義ですね、華僑の大きな会社ですが、その関係のダミーであると思われるのは、亜細亜貿易、九神青果貿易、太平洋青果物、中日加工業輸入協会、東山貿易、東来貿易、日台産業、根本物産と、東京から神戸、横浜、札幌と、こういう各地にわたっております。

 まあ私のほうがこういうことを質問する筋合いのものじゃないのですが、こういうこともひとつこれから国税庁のほうで手がけていただいて、この疑惑を晴らしていただきたい、こう思います。

 それからペーパー・ブローカーあるいはダミーの決算状況あるいは納税状況は、それではどのようになっておりますか。



○説明員(中嶋晴雄君) 先ほどから申し上げておりますように、そういうバナナの輸入割り当てを受けた者全部につきましてリスト・アップいたしましてそれぞれについて調査を実はいたしておりません。一般の法人税調査あるいは所得税調査のワク内でやっておりますので、ただいまお尋ねの点につきましても、ここで確たる御返答ができないのは、はなはだ遺憾でございます。


○黒柳明君 法務省の刑事課長さんと、それから警察庁、それから国税庁の次長さんを含めて、いままでいろいろやってきたのですが、最高責任者が三省庁ともお見えになっていないのが非常に残念なんですが、今後の問題として、いまあげましたような脱税問題あるいは為替管理法違反問題、そういうようなことに関して、ひとつ各省庁にお帰りになったら、上司の方に申し上げて、しかるべく万全の処置をとって、そうしてまた、政府のほうでも、黒い霧を晴らすと。通産大臣はじめ姿勢を正すと。次長さんも何とかがんばろうと、信頼される部下ですから。それで、全面的な善処をするべくがんばっていただきたいと思います。

 最後に、委員長に。いま私がいろいろ申し上げましたのですが、冒頭言ったように、中にはこっちの調査資料が不足で訂正しなければならぬ点もあると思うのですが、その点も含め、あるいは資料要求もしましたのですが、そのことも含めて、今後の問題をまた質疑する上において非常に大切なことばかりだと思いますから、資料提出に対しての善処をお願いしたいと思います。

 以上で終了します。

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